詩恭(しきょう)です。
あなたは「誰にも迷惑をかけたくない」と意識して考えたことはありますか?
おそらく、特別に意識しなくとも、無意識のうちにそう考えているケースが多いですよね。
でも、実際はそうではありません。
あなたもうすうす感じているかもしれませんが、断言します。
誰にも迷惑をかけずに暮らす、ましてや生きていくなんて、100パーセント無理ですよ。
今回はそう断言できる明確な理由をお伝えします。
この記事は
・人に頼らないのが正義!と考えて日々頑張るものの、疲れているあなた
・助けてほしいのに助けを求められなくて悩むあなた
・自立して生きていきたいと考えているあなた
にお送りします。
「迷惑をかけたくないから人に頼らない」って、実は迷惑!
社会に出ると、誰しもが与えられた役割を果たす必要があります。
それが仕事というものです。
どの役割も重要であり、差はありません。
あなたも日々、仕事=与えられた役割をこなすべく必死になっていますよね。
ただ、そんな中で「迷惑をかけたくないから人には頼らずに仕事しよう」と考えているなら、それはすぐにやめましょう。
それ自体、迷惑なので。
人がいないと伸ばせない能力がある
役割に差はありませんが、どうしても差が出てしまう部分があります。
それが能力です。
向き不向きも関係あるものの、能力はある日突然に身につくものではなく、日々の積み重ねの中で伸びていくもの。
伸びていくにはあなたの努力がもちろん必要ですが、あなたではない別の人の力も必要です。
たとえばコミュニケーション能力は、ひとりで勉強はできますが、実践するには誰かがいないとダメですよね。
人がいないとあなたの能力が伸びない場合もあります。
それをどれだけひとりで頑張っても、まるで無意味なんです。
人に頼らないことは自立ではなく、ただの独りよがりになってしまうんです。
人に頼らないと役割が果たせないこともある
あなたが役割を果たす中で、予期せぬトラブルが起こることがありますよね。
不幸にもコトが大きくなってしまい、あなたひとりでは対処し切れなくなったとしても、あなたは「迷惑をかけたくないから」とひとりでなんとかしようとしますか?
あるいは、膨大な仕事を振られて、それがひとりではとても処理できない量だとわかっていながら、「迷惑をかけたくない」とひとりでやりますか?
いずれのケースも、人に頼れば迅速に対処できた可能性が高いです。
前者なら、あなたが「コレ、ちょっとまずいかも?」と考えた時点で人に相談していれば、火種が小さいうちに消火できたかもしれません。
後者なら、たとえ誰かに押し付けられたものでも、誰かに相談すれば、あなたが最終的に受け持つ量は全部ではなくなる可能性が高くなります。
人に頼ることは、迷惑がかかるわけではなく、あなたが役割を果たすために必要なことでもあるんですよね。
それは、迷惑にはなりません。
「迷惑をかけたくない」という考え自体が歪んでいる
先にお伝えしたとおり、あなたは無意識のうちに「迷惑をかけたくない」と考えてしまっていますよね。
私もそうなので、とてもよくわかりますよ。気付いたら考えてますしw
でも、その考え自体が実は歪んでいるんです。
あなたも私も気付いていないだけで、ナチュラルに迷惑をかけてしまっているんですよ。
生まれる前からすでに迷惑はかけている
極論になってしまうんですが、あなたも私も生まれる前から母親の身体に負担をかけ、迷惑をかけています。
出産でも母体に大きすぎる負担をかけてますし、その後の世話でも迷惑をかけ通しですよね。
さらには学校でもいじめや成績、成長していく中でいたずらや反抗期で親には迷惑をかけます。
学費もある意味では“迷惑をかける”に入るといえるでしょう。
その点から考えると、生きてきて迷惑をかけたことがない人はいないということになります。
母親だけでなく、他の家族、友人にも知らないうちに迷惑をかけてしまっている部分が必ずあります。
生きていくうえで、必ず迷惑はかけるもの、またかけられるものなんです。
「人に迷惑をかけない」は日本固有の考え方
「人に迷惑をかけない」という価値観のひずみが、近年の日本ではわかりやすく出ています。
- 公共の場で泣き叫ぶ子供は迷惑、外に連れ出すな
- 公園で遊ぶ子供の声が不快で迷惑
- 障害のある人やマタニティマークをつけている人への配慮をさせるなんて迷惑
いずれも私が聞いたことがあるものを抜粋してみました。
最後は正直こじつけとしか思えませんが…
それはさておき、「人に迷惑をかけない」という価値観のおかげで、かなり行動しにくく、生きづらい状況になっているのは間違いありません。
でも、この価値観は日本にしかない、日本固有のものだって知ってましたか?
海外は「お互い様」な考え方
海外だと「迷惑をかけない」という考えは存在しません。
国によって細かい違いはありますが、まとめると「自分が迷惑をかけてしまうのは生きてる以上当たり前なんだから、相手に迷惑をかけられるのも仕方ない」という考えがあります。
要はお互い様ということですね。
迷惑かけるのは当たり前なんだし別にいいじゃん!という開き直りとも取れなくもありませんがw
私も何度か海外に行ったことはありますが、日本人の観点だと「え!?」という部分もあるにはありましたが、いい意味でゆるい場所が多かった印象があります。
迷惑をかけることはすべてが悪いことばかりではない
迷惑をかけたくないという価値観は、実は他人の目を意識しすぎるあまり、自分から行動するといった主体性を奪ってしまっています。
その結果として、何もしないことが一番良いことになってしまうんです。
まさに、現在の日本人が陥っている罠ですよね。
でも、あなたが生きていくうえで、必ずどこかに迷惑はかかっているものです。
それは見えないところかもしれませんし、もう見えているけれど気づいていないだけなのかもしれません。
ただ、後々考えてみた時に、その迷惑のおかげであなたに良い結果がもたらされた、という事実があるのなら、それは決して悪いこととは言い切れないのではないでしょうか?
もちろん、迷惑をかけてしまった方へのフォローは必要になりますが。
“人は迷惑をかけないと生きていけない、だから他人から迷惑をかけられるのもある程度許容しよう”(全部ではないですよ)という価値観をもてば、あなたはもっと生きやすくなっていくのではないでしょうか?
この記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。
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